日帰り硝子体手術のご案内
当院では、平成29年より日帰り硝子体手術を行っております
1. 硝子体とは
硝子体とは眼球の器官の一つで、水晶体の後方にあり、
眼球内の大部分を満たしている無色透明なゼリー状の組織です
眼球の形を保ち、光を屈折させます
また、外力からのショックを吸収する役割を果たして
おり、年齢と共に構造が変化し、徐々に収縮・変性し
ていきます
2. 当院で行っている日帰り硝子体手術
@ 黄斑前膜
A 黄斑円孔
B 硝子体出血
@ 黄斑前膜
物を見る中心である黄斑部に膜が張る病気主な原因は
加齢によるものです
生理的な変化により、網膜から離れた硝子体が一部
黄斑部に残って分厚くなったものを指します
膜越しに物を見るようになる為、視力低下を感じる
ようになります
また、膜が収縮することによって網膜に皺を作ったり、
浮腫 (むくみ)を起こしたりする為、初期の段階で中心
部に歪みや霞みが生じます
進行すると、歪みの他に中心部視野が欠ける症状がで
でくることがあり、その場合、手術で膜を除去した後、
状態によっては眼球内にガスを入れます
その為、術後うつ伏せ姿勢をとる場合があります
A 黄斑円孔
物を見る中心である黄斑の網膜に丸い穴 (円孔)が開く病気
外傷や他の病気に続発して起きる場合もありますが、多く
は加齢によるものと考えられています
自覚症状としては、中心が見えなくなったり、物が歪んで
見える変視症が起こります
網膜から剥がれた硝子体が薄皮のように網膜上に残り、
そのまま牽引する力が働く事によって、網膜に円孔が
できます
ごく稀に、自然に改善することもありますが、一般的には
原因となる硝子体の牽引を解除後、円孔を閉じる目的で
ガスを注入する硝子体手術を行います
その際、術後はうつ伏せ姿勢をとる事があります
B 硝子体出血
3. 手術方法
@ 局所麻酔 (テノン嚢下球後麻酔)を行います
A 硝子体を切除する為に眼球の壁に小さな穴を3ヶ所
開けます
B その穴から細かい器具を眼内に挿入します
硝子体を切るためのカッター、照明の為の光ファイバー、
眼球状態を保つ為の灌流液を注入する器具の三点
C 眼内の出血や濁りを硝子体と共に除去後、
網膜にできた増殖膜や網膜裂孔を治療します
D 取り除いた硝子体のかわりに、眼内に水・空気・ガス
のいずれかを置換します
手術時に硝子体のかわりに注入された水・空気・ガス
は、次第に眼内で作られる液体に置き換わります
空気は数日、ガスの場合は数週間程度で吸収
されていきます
手術自体は30分程度です
(状態によってはそれ以上かかる可能性があります)
病状によっては白内障手術を行う場合があります
すでに白内障がある方もいますが、白内障のない方
でも硝子体手術を行うと水晶体に白内障が生じやすく
なる為です
4. 硝子体手術後の通院について
硝子体手術後は必ず通院が必要となります
通院スケジュールは次の下記の通りとなります
術後翌日 | 3日目 | 1週間 | 2週間 | 3週間 | 1ヶ月〜 3ヶ月 (月2回) |
4ヶ月〜 (月1回) |
※ 硝子体手術後の眼の状態によっては、診察に
お越しになる回数が増えることもございます
※ 担当医の指示にしたがって下さい
硝子体手術実績 (過去8年間)
手術件数 | 2015年 (平成27年) | 10 |
---|---|
2016年 (平成28年) | 48 |
2017年 (平成29年) | 44 |
2018年 (平成30年) | 47 |
2019年 (平成31年&令和元年) | 47 |
2020年 (令和2年) | 61 |
2021年 (令和3年) | 68 |
2022年 (令和4年) | 71 |
2023年 (令和5年) | 67 |