抗VEGF薬治療について
・ 抗VEGF薬治療とは、眼の中で新生血管が発生し、血液や滲出液が漏れ出す原因物質としてVEGF
(血管内皮増殖因子)があります
このVEGFの働きを抑える薬剤を眼内に注射すること
で、新生血管や血管成分の漏れを抑制する治療法です
・ 当院では、『アイリーア®硝子体内注射液40mg/mL』
を使用しております
1. アイリーアの適応症
現在、アイリーアにおいては下記の4つの適応症が
承認されており、当院では、①~③に対して抗VEGF
薬治療を行っております
① 加齢黄斑変性症
② 糖尿病黄斑浮腫
③ 網膜中心静脈閉塞症に伴う黄斑浮腫
④ 病的近視における脈絡膜新生血管
① 加齢黄斑変性症
加齢黄斑変性症とは、網膜の中央部分にある黄斑部
と呼ばれるところの障害が起こる病気です
加齢黄斑変性症には、大きく分けて2つのタイプが
あり、新生血管を伴うものを滲出型とよび、血管新
生を伴わないで黄斑部の萎縮のみを呈するものを
萎縮型とよびます
アイリーアが適応となるものは新生血管を伴う
滲出型です
滲出型加齢黄斑変性 :網膜の中心である黄斑部に
脈絡膜新生血管が発生し、
網膜色素上皮上、あるいは
色素上皮下にのびて、出血
やむくみなどの滲出性変化
を認めます
症状
・ 変視症 (ものが歪んで見える)
・ 見ようとする所が暗く見える
・ 視力の低下 (ぼやけて見える , 不鮮明になる)
片眼を隠して見ていただき、上記のような症状が
ある場合は、眼科受診をおすすめします
② 糖尿病黄斑浮腫
糖尿病黄斑浮腫とは、眼底の毛細血管がもろくなり、
血液や血液成分が漏れ出し、黄斑部にむくみ生じる
病気です
症状
・ 変視症 (ものが歪んで見える)
・ 見ようとする所が暗く見える , 不鮮明になる
・ 視力の低下
・ かすみ眼
糖尿病は眼に影響の出る病気のひとつです
症状がなくても定期的な眼科受診を
おすすめします
③ 網膜中心静脈閉塞症に伴う黄斑浮腫
網膜中心静脈閉塞症に伴う黄斑浮腫とは、網膜
にある静脈が目詰まりを起こし、血液や血液成
分が漏れ出し、網膜にむくみが生じている状態
です
症状
・ 急激な視力低下
・ 視野が欠ける
・ 急な眼のかすみ
2. アイリーア注射後の生活
・ 注射当日は眼帯をして帰宅していただきます
翌日の検査・診察時に眼帯を外しますので、
その後から点眼液を使っていただきます
・ 入浴は注射翌日から可
・ 洗髪、洗顔は注射3日目から可
・ 車の運転は翌日眼帯が外れてから可
・ 仕事は3日間中止